歯石取りは痛い?痛みの原因と頻度の目安、歯周病予防の正しい知識

歯石取りとは何か?なぜ必要なのか?
歯石取りとは、歯垢(プラーク)が石灰化して硬くなった「歯石」を、専用の器具で除去する処置です。歯石は歯ブラシでは絶対に落とせないため、歯科医院での処置が必須になります。
歯石の表面はザラザラしており、内部は軽石のように隙間が多い構造です。そのため細菌が住みつきやすく、放置すると虫歯・歯周病のリスクが大きく高まります。
歯石はバイオフィルムができやすい環境を作り出し、毎日の歯磨きだけでは除去できないため、定期的な歯科受診が必要とされています。
歯石が形成されるメカニズム
プラーク(歯垢)が歯石に変化し始めるのは、わずか4〜8時間です。2日後には歯石が形成されるといわれており、歯石ができるスピードは意外と早いです(ひだまり歯科医院コラム)。
唾液の性質がアルカリ性に傾いている方や、唾液の分泌量が多い方は歯石ができやすい傾向があります。特に下前歯の裏側や奥歯の頬側は歯石が付きやすい部位です。
歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石の違い
- 歯肉縁上歯石:歯茎より上側にできる白〜薄黄色の歯石。比較的除去しやすい。
- 歯肉縁下歯石:歯周ポケット内にできる茶〜黒色の歯石。硬く除去が難しく、痛みが出やすい。
歯肉縁下歯石は歯周病が進行した方に多く見られ、除去の際には麻酔が必要になるケースもあります。
歯石取りは本当に痛いのか?痛みの主な原因は?
お口が健康な状態であれば、歯石取りで痛みを感じることはほとんどありません。痛みが生じる場合は、歯茎の炎症・知覚過敏・虫歯など、お口の中に何らかの問題が起きているサインです。
以下に、歯石取りで痛みが出やすい主な原因を3つ解説します。
①歯茎の炎症による痛み
歯石は細菌の住処となるため、歯石が付着していると歯茎が細菌感染を起こし炎症を引き起こします。炎症が強いほど歯茎は敏感になり、わずかな刺激でも痛みを感じやすくなります。
歯茎から出血が見られる場合は炎症が進んでいるサインです。このような場合は、まず適切なブラッシングで炎症を落ち着かせてから処置を行うか、必要に応じて麻酔を使用します(かなまる歯科クリニックコラム)。
②歯石の蓄積量による痛み
歯石は放置するほど硬く大量に蓄積します。硬くなった歯石を取り除くには強い力が必要になり、その刺激が痛みとして感じられます。
定期的に歯石取りを受けていれば、歯石が蓄積しにくく硬くなりすぎる前に除去できるため、痛みも感じにくくなります。3か月ごとのメンテナンスが推奨される理由の一つです。
③知覚過敏による痛み
知覚過敏とは、冷たいものや歯ブラシが歯に触れるとしみる・痛む症状です。歯茎が下がって歯根面が露出している方は特に起こりやすく、歯石取りの刺激を強い痛みとして感じることがあります。
歯石の量が少ない場合は知覚過敏用の薬を塗布してから処置を行ったり、水をお湯に換えて対応することで痛みを軽減できます(歯科医院コラム)。
歯石取り後に痛みやしみる症状が続く場合はどうすればよいか?
歯石取り後の痛みやしみる症状は一過性のものがほとんどで、多くの場合は数日以内に落ち着きます。ただし、症状が長引く場合や出血が1週間以上続く場合は、歯科医院への相談が必要です。
歯石取り後に症状が出やすいケース
- 歯石が多量に沈着していたケース:歯石に覆われていた歯面が急に露出し、外部刺激に敏感になります。徐々に慣れて痛みは消えます。
- 歯茎の炎症が強かったケース:処置後も一時的に歯茎が敏感な状態が続きます。数日で改善することがほとんどです。
- 歯茎が退縮しているケース:歯根面が露出しているため、水や風がしみる知覚過敏の症状が出やすいです。
自宅でできるアフターケアの方法
- 冷たいもの・辛いもの・炭酸など刺激の強い飲食物を数日間控える
- 歯ブラシを「やわらかめ」に替え、優しくブラッシングする
- しみる痛みが続く場合は「知覚過敏用」の歯磨き粉を使用する
- 数日で出血が止まれば歯茎が改善しているサイン
歯石取りから1週間経っても出血が止まらない場合や、大きく腫れた・発熱した場合はすぐに歯科医院に相談することが推奨されています。
「痛いからもう行かない」と歯科医院から足が遠のいてしまうと、歯周病の悪化や歯を失うリスクが高まる一方です。痛みへの対処法は必ずあるので、担当の歯科医師や歯科衛生士に遠慮なく相談してください。
歯石取りの頻度はどのくらいが理想的か?
歯石取りを含む定期クリーニングは、3か月ごとを目安に受けるのが理想的です。虫歯菌や歯周病菌などの細菌は一度除去しても再び付着し、約90日で増殖するためです。
歯石除去の頻度については、毎月〜4か月に1度程度がおすすめとされており、お口の状態によって最適な間隔は異なります。
定期メンテナンスを続けるメリット
- 歯石が蓄積しにくくなる:少量のうちに除去できるため、処置時の痛みが少ない
- 歯周病の早期発見・予防ができる:歯周病は痛みが出にくく、重症化してから気づくケースが多い
- 虫歯の早期発見につながる:目には見えない部分の虫歯も定期検診で発見できる
- 口臭予防になる:細菌の温床となる歯石を定期的に除去することで口臭が改善する
歯を失う原因の第1位は歯周病です(ひだまり歯科医院コラム)。歯周病は痛みが出にくいため、重症化した頃に初めて気づく方も多く、定期的なメンテナンスが歯を守る最大の手段です。
歯石取りの方法にはどんな種類があるか?スケーリングとルートプレーニングの違い
歯石除去の方法は大きく「スケーリング」と「ルートプレーニング」の2種類に分かれます。歯周病の進行度によって使い分けられます。
スケーリング
歯科医師や歯科衛生士が「スケーラー」という専用器具を使い、主に歯茎より上側の目視できる歯石を除去します。超音波スケーラー・エアースケーラー・手用スケーラーの3種類があり、音や水が出る機械を使用しますが、歯が削れることはありません。
超音波スケーラーは大量の歯石も短時間で効率よく除去できます。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、超音波などを用いて歯石を破壊し水で洗い流す方法が紹介されています。
ルートプレーニング
歯周病が進行し歯周ポケットが深くなった場合に行われる処置です。ポケット内部の歯根面に強固に沈着した歯石や感染組織を取り除きます。
手で探りながら行うため施術に時間がかかり、何ブロックかに分けて少しずつ行います。歯周ポケットの奥深くを触る際には痛みが出やすいため、必要に応じて麻酔を使用します。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
歯石除去後に歯垢や歯石がつきにくくするため、専用の器具を使って歯の表面をツルツルにする処置です。厚生労働省のe-ヘルスネットでも歯周病予防に有効な処置として紹介されています。
歯周病予防に歯石取りが欠かせない理由とは?
歯石は歯周病菌の温床となり、放置すると歯槽骨(歯を支える骨)が溶けて最終的に歯を失う原因になります。歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位です。
歯周病は細菌の出す毒素が歯茎を刺激し炎症を引き起こすことから始まります。口の中で細菌は「バイオフィルム」という薄い膜を作り歯に張りつきます。バイオフィルムは薬品が効きにくいため、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的な清掃が有効です。
歯石を放置するとどうなるか?
- 歯肉炎:歯茎が腫れ、歯磨きの際に出血や痛みが出やすくなる
- 歯周病:歯を支える歯槽骨が溶け始め、歯がグラつく
- 歯の喪失:重症化すると歯が抜けてしまうことも
- 全身疾患への影響:糖尿病・心疾患など全身の健康にも悪影響を与える
歯周病は痛みが出にくいため、重症化してから初めて気づく方が多いです。定期的な歯石取りとクリーニングで、細菌の量を減らし続けることが歯周病予防の基本です。
痛みを最小限にするための対処法と予防策は?
歯石取りの痛みを最小限にするためには、歯石を溜め込まないことが最大の予防策です。日常のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアの組み合わせが重要です。
痛みを軽減するための対処法
- 局所麻酔の使用:痛みが強い場合は局所麻酔を使用できます。特にルートプレーニングの際には使用することが多いです。
- 表面麻酔の使用:粘膜の表面に塗布するタイプの麻酔で、注射の痛みを和らげる効果があります。
- 知覚過敏用の薬の塗布:知覚過敏がある場合は、処置前に薬を塗布して痛みを軽減できます。
日常のセルフケアで歯石をつきにくくする方法
- 正しいブラッシング:歯と歯茎の境目を意識して、1本1本丁寧に磨く
- デンタルフロス・歯間ブラシの使用:歯ブラシが届かない歯間の汚れを除去する
- 定期的なプロフェッショナルクリーニング:3か月ごとを目安に歯科医院でクリーニングを受ける
歯茎の炎症が減り、歯石があまりつかなくなることで、歯石取りの痛みや出血は自然と減っていきます。「痛いから行かない」ではなく、「痛みを減らすために定期的に通う」という考え方が大切です。
生活習慣の見直しも歯周病予防に重要
歯周病のなりやすさには「免疫」が深く関わっています。喫煙は歯周病を悪化させる重要な危険因子であり、糖尿病などの全身疾患も歯周病を悪化させます。規則正しい食事・睡眠・禁煙を心がけることも、歯周病予防の重要な柱です(第一三共ヘルスケア おくちカレッジ)。
アーバン歯科・矯正歯科 大宮ラクーン院の予防歯科・クリーニングについて
アーバン歯科・矯正歯科 大宮ラクーン院は、さいたま市大宮区で予防歯科・クリーニングを得意とする歯科クリニックです。大宮駅から徒歩1分の好立地で、日曜診療・夜間診療(18時〜)・個室制など、通いやすい環境を整えています。
口腔内デジタルスキャンで目に見えない虫歯を早期発見
当院最大の特徴は「口腔内デジタルスキャン」です。お口の中を立体的な画像として捉えられるスキャナーを用いて初回診断を行い、目には見えない部分の虫歯を早期発見できます。
虫歯治療は患部を削ることから始まるため、どんなに治療をしても元どおりの歯を取り戻すことは不可能です。早期発見・早期対処が歯を守る最善策です。
エアフロー(プロフィー メイトネオ)による高品質クリーニング
当院では歯のクリーニング機器「エアフロー(プロフィー メイトネオ)」を導入しています。超微粒子パウダーをジェット噴射で歯に吹き付け、歯にこびりついたヤニや着色を効果的に除去します。
- 清掃効果が高い:頑固なヤニや着色も効率よく除去できる
- 短時間できれいになる:高圧洗浄機のように細かい部分まで洗浄
- 歯や詰め物を傷つけない:従来の研磨剤と比べて優しいクリーニング
- 再付着を防ぐ:歯の表面がツルツルになり、歯垢・歯石・着色が付きにくくなる
エアフローは外来性の着色を落としますが、歯自体の色は白くできません。歯を白くしたい場合はホワイトニングが別途必要です。
当院が推奨する予防歯科の考え方
予防歯科は「虫歯や歯周病になったら治療する」という考え方ではなく、「お口の健康を維持する」という考え方に基づいています。虫歯菌や歯周病菌は約90日で増殖するため、3か月ごとのメンテナンスを受けることが理想的です。
当院には500件以上の口コミが寄せられており、「担当の先生や歯科衛生士が優しく丁寧」「院内が清潔で落ち着いた雰囲気」と高く評価されています。予防歯科に関しても140件の口コミがあり、院内の清潔感が特に好評です。
歯石取りや定期クリーニングについてお悩みの方は、ぜひアーバン歯科・矯正歯科 大宮ラクーン院にご相談ください。口腔内デジタルスキャンによる精密な初回診断と、エアフロー(プロフィー メイトネオ)を用いた高品質クリーニングで、あなたのお口の健康を全力でサポートします。大宮駅から徒歩1分・日曜診療・夜間診療(18時〜)対応で、忙しい方にも通いやすい環境です。まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
よくある質問
歯石取りは毎回痛いですか?
お口が健康な状態であれば、歯石取りで痛みを感じることはほとんどありません。痛みが出る場合は歯茎の炎症や知覚過敏が原因です。定期的に通うことで痛みは減っていきます。
歯石取りの頻度はどのくらいが理想ですか?
3か月ごとを目安にするのが理想的です。細菌は約90日で増殖するため、3か月ごとのメンテナンスが歯周病予防に効果的とされています。お口の状態によっては毎月〜4か月に1度が推奨されます。
歯石取り後にしみる・痛みが続く場合はどうすればよいですか?
数日以内に改善することがほとんどです。しみる場合は知覚過敏用の歯磨き粉を使用し、刺激の強い飲食物を避けてください。1週間以上症状が続く場合は歯科医院に相談しましょう。
歯石取りで麻酔は使えますか?
使えます。痛みが強い場合は局所麻酔や表面麻酔を使用できます。特にルートプレーニング(歯周ポケット内の歯石除去)では麻酔を使用することが多いです。遠慮なく担当医に相談してください。
歯石取りをしないとどうなりますか?
歯石が蓄積すると歯周病が進行し、最終的に歯を失うリスクが高まります。歯周病は日本人が歯を失う原因の第1位です。痛みが出にくいため、気づかないうちに重症化することがあります。
歯石は自分で取れますか?
自分では取れません。歯石は石のように硬く、歯ブラシでは除去できません。歯科医院で専用の器具(スケーラー)を使った処置が必要です。
歯石取りの後、食事はすぐにできますか?
通常は処置後すぐに食事できますが、極端に熱い・冷たい・硬い食べ物や刺激物は翌日まで避けることをおすすめします。翌日以降は徐々に普通の食事に戻していただけます。
エアフローと通常のクリーニングはどう違いますか?
エアフローは超微粒子パウダーをジェット噴射で吹き付けるクリーニング法で、歯や詰め物を傷つけずに頑固な着色やヤニを除去できます。通常の研磨剤とブラシを使うクリーニングより優しく、施術後の再付着も起こりにくいのが特徴です。
歯石取りは保険適用になりますか?
歯周病治療の一環として行うスケーリングは保険適用になります。ただし、着色除去を目的としたクリーニング(エアフローによるステイン除去など)は保険適用外となります。
歯石取りと歯のクリーニングは同じですか?
異なります。歯石取り(スケーリング)は硬くなった歯石を除去する処置で、クリーニングはより広い概念です。クリーニングには歯石取りのほか、PMTC・エアフロー・ブラッシング指導などが含まれます。
まとめ
歯石取りは、お口が健康な状態であれば痛みはほぼありません。痛みが出る場合は歯茎の炎症・知覚過敏・歯石の蓄積が原因であり、定期的に通うことで改善できます。歯周病予防のためには3か月ごとのメンテナンスが理想的です。「痛いから行かない」ではなく、「痛みを減らすために定期的に通う」という考え方に切り替えることが、歯を長く守るための最善策です。
【著者情報】

歯科医師(臨床助手) – 足立
大学病院では、主に入れ歯・被せ物・インプラントなどの治療をしています。
治療に入る前には、患者様のお口の状態についてご本人が把握しやすいようにご説明し、ご理解された上で治療を行います。ご自分のお口をよく知り、不安なく治療を受けていただけたらと思います。
略歴
平成31年大学病院 勤務
所属学会
- 口腔外科学会員
出勤日
- 月曜日
- 火曜日
- 水曜日
- 金曜日
- 土曜日
担当科目
- 審美〈セラミック矯正やダイレクトボンディングなど〉
- 入れ歯〈大学病院と同じ様な精密な入れ歯製作可能〉
- インプラント
- 親知らずの抜歯
