親知らずが横向きに生える原因とは?放置すると起こる6つのリスク

親知らずが横向きに生えていると指摘されて、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

「痛くないから大丈夫」「完全に埋まっているから問題ないだろう」と考えてしまいがちです。しかし、横向きに生えた親知らずを放置すると、手前の歯が押されて歯並びが乱れたり、炎症を起こして強い痛みが出たりすることがあります。

今回は、親知らずが横向きに生える原因と、放置することで起こる6つのリスクについて詳しくご紹介します。治療を受けるか迷っている方や、治療方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

親知らずが横向きに生える原因

親知らずは、すべての歯が生え揃ってから最後に生えてくる歯です。

横向きに生える主な原因は、**顎の骨に十分なスペースがないこと**にあります。現代人の食生活が大きく関係しているといわれています。

昔と比べて、現代人は柔らかい食べ物を好むようになりました。硬い食べ物を食べる機会が減り、よく噛んで食べることが少なくなったため、顎が鍛えられなくなっています。その結果、咀嚼能力が低下し、顎の骨が発達しにくくなったのです。

しかし、歯のサイズは昔と大きく変わっていません。むしろ、栄養状態が改善したことで歯のサイズは大きくなっているケースも増えています。親知らず自体も大きくなっているため、親知らずが生えるスペースが不足してしまい、横向きや斜めに生えたり、埋まったままの状態になったりすることが多いのです。

顎の骨と親知らずのスペース不足を示すイメージまた、周囲の組織の影響も考えられます。本来であれば歯は真っすぐ生えますが、顎の骨の形状や周囲の組織の状態によっては、本来とは異なる向きや角度で生えることがあるのです。

横向きに生えた親知らずは、さまざまな問題を引き起こす可能性があるため、抜歯を検討したほうがよいでしょう。

横向きに生えた親知らずを放置すると起こる6つのリスク

横向きに生えた親知らずをそのまま放っておくと、どのような問題が起こるのでしょうか。

ここでは、放置することで起こる6つのリスクについて詳しく解説します。

①虫歯になりやすい

横向きに生えた親知らずを放置すると、虫歯のリスクが高まります。

親知らずと隣接する第二大臼歯との間に食べかすが挟まりやすいためです。通常の歯磨きでは、食べかすを十分に除去することが困難になります。ブラッシングがしにくくなることで、磨き残しが多くなり、歯垢が蓄積しやすくなるのです。

その結果、親知らずだけでなく第二大臼歯の虫歯のリスクも増加します。手前の大切な歯まで虫歯になってしまうのは避けたいところです。

②智歯周囲炎の発症リスクが高まる

横向きに生えた親知らずを放置すると、智歯周囲炎を発症するリスクもあります。

智歯周囲炎は、親知らずの周囲の歯肉に炎症が起こる病気です。歯と歯の間に詰まった細菌によって引き起こされます。親知らずが横向きに生えていると、歯の周囲にプラークや食べカスが蓄積しやすくなるため、炎症が起きて腫れや痛みが出る可能性が高まるのです。

強い痛みや歯茎の腫れなどの症状が現れることが多く、場合によっては発熱を伴うこともあるでしょう。

智歯周囲炎で腫れた歯茎のイメージ③歯並びが悪くなる可能性がある

親知らずが横向きに生えると、隣の第二大臼歯に圧力がかかります。

第二大臼歯を押し続けることで、さらに前の歯にも影響を及ぼすでしょう。歯列が後ろから押されるため、全体の歯並びが徐々に崩れる可能性があります。

特に、矯正治療をした方は、理想の歯並びが崩れるリスクもあるため注意が必要です。せっかく整えた歯並びが乱れてしまうのは避けたいところです。

④圧迫感や痛みが出る

親知らずが横向きに生えると、手前の歯が押されて圧迫感や痛みを生じることがあります。

完全に埋まっている場合でも、顎の骨の中で隣の歯を圧迫し続けることがあるため、痛みや違和感を感じることがあるのです。

⑤感染症や膿瘍のリスクがある

親知らずの周囲に細菌が溜まると、感染症や膿瘍が発症する可能性があります。

特に半埋伏の状態は、歯肉が歯にかぶっていることから清掃性が悪く、細菌が侵入しやすいです。感染が起こると痛みや腫れが生じ、深刻なケースでは発熱を伴うこともあるでしょう。

膿瘍は、歯肉が傷つくことにより感染が起き、膿が溜まってしまいます。重度の感染や膿瘍が生じた場合、一般的な歯科治療では対処しきれないこともあります。放置して隣接する組織に広がると、顎や顔全体に影響を及ぼすことがあり、専門的な治療が必要になるケースもあるのです。

⑥嚢胞ができる可能性がある

横向きの親知らずを放置していると、その周囲に液体が溜まって嚢胞ができる可能性があります。

嚢胞は、顎の骨の中に液体が溜まった袋状の病変です。嚢胞が大きくなると、顎の骨を圧迫したり、周囲の歯に悪影響を及ぼしたりすることがあります。

嚢胞が大きくなると、顎の骨が弱くなり、骨折のリスクも高まります。嚢胞の治療には、外科的な処置が必要になることが多いため、早めの対応が大切です。

横向きに生えた親知らずの抜歯の流れ

横向きに生えた親知らずは、まっすぐに生えた親知らずよりも処置が複雑になります。

ここでは、横向きに生えた親知らずを抜く流れを確認しましょう。

診察・検査

親知らずを抜歯するにあたって、まずは診察や詳しい検査を行う必要があります。

レントゲン検査やCTスキャンなどによって、親知らずの正確な位置、神経や血管の走行などを確認します。これにより、安全に抜歯を行うための治療計画を立てることができるのです。

歯科医院でのCT検査のイメージ麻酔をする

まずは表面麻酔を行います。

麻酔薬を浸した綿を、親知らずの周囲の歯茎に置いて数分間待ちます。表面麻酔の目的は、局所麻酔の針を刺す痛みを軽減することです。

表面麻酔で、歯茎の感覚が鈍くなったら局所麻酔を行います。局所麻酔を行うことで、抜歯の際の不快感や痛みを最小限に抑えることが可能です。

痛みへの不安が強い方は、リラックスした状態で治療が受けられる笑気麻酔や静脈内鎮静法などを実施している歯科医院もあるので、事前に相談してみましょう。

歯茎を切開する

麻酔が効いていることが確認できたら、歯茎を慎重に切開し、親知らずの頭部分を露出させます。

歯茎を切開する範囲をできるだけ小さくすることで、患者さまへの負担を最小限に抑えられます。

歯冠と歯根にわける

横向きに生えた親知らずは、そのままでは抜けません。

歯冠と歯根に分割する必要があります。親知らずの頭部と根の間を削って、歯を小さく分割します。歯の根を分割することもあるでしょう。

歯を分割することで、歯茎の切開を最小限に抑えながら、容易に安全に抜歯できるのです。

抜歯する

分割された親知らずを、一つずつ慎重に抜き取ります。

分割した歯を一つひとつ丁寧に取り除くことで、周囲の組織へのダメージを最小限に抑えることができます。

歯茎を縫合する

抜歯したあとは、ほぼ確実に出血します。

出血は、傷口の治癒過程において重要な役割を果たす血餅(血の塊)を形成するために必要です。血餅は傷口を保護し、自然治癒を助けるために非常に重要です。

血餅が傷口から剥がれないようにするため、傷口を縫合します。

圧迫止血をする

患者さまにガーゼを噛んでもらい、圧迫止血を行います。

しっかりと止血することで、血餅の形成を促進し、傷口の治癒を早めることができます。

処方された薬剤を服用する

抜歯後、傷口の治癒を促進し感染のリスクを減らすために、抗生物質や痛み止めが処方されるのが一般的です。

抜歯後の不快な症状を和らげるために、指示に従って服用してください。抗生物質は患部の感染を予防する目的で出されるので、必ず指示通りに内服しましょう。

親知らずを抜いたあとの注意点

親知らずの抜歯は、一般的な虫歯や歯周病治療とは異なり、外科的な処置です。

抜歯後は、適切なケアが重要になります。ここでは、抜歯後の注意点について詳しく解説します。

血行を促進させる行為を避ける

抜歯後は、血行を促進させる行為を避けることが大切です。

激しい運動、長時間の入浴、飲酒などは、血行を促進させるため、出血が止まりにくくなったり、腫れが強くなったりすることがあります。抜歯当日は、シャワー程度にとどめ、安静に過ごすようにしましょう。

頻繁かつ激しいうがいはしない

抜歯後は、頻繁かつ激しいうがいは避けてください。

傷口を保護する血餅が剥がれてしまい、治癒が遅れる原因になります。血餅が剥がれると、ドライソケットという状態になり、強い痛みが続くことがあるため注意が必要です。

うがいをする場合は、軽く口をゆすぐ程度にとどめましょう。

抜歯後のケアを行う患者のイメージ傷口を触らない

抜歯後の傷口を舌や指で触らないようにしてください。

傷口を触ると、細菌が侵入して感染のリスクが高まります。また、血餅が剥がれる原因にもなるため、触らないように注意しましょう。

麻酔の効果が切れるまで食事しない

麻酔が効いているうちは痛みを感じないため、食欲が出る患者さまもいらっしゃいます。

しかし、麻酔が効いている時間は血餅が形成され始める時間ですので、飲食は控えることが望ましいでしょう。また、麻酔が効いている状態で食べ物を口にすると、誤って患部で食べ物を噛んでしまったり、頬や舌を噛んでしまったりする可能性があります。

麻酔が切れてから、柔らかい食事を摂るようにしましょう。

腫れが長引く場合は歯科医院に連絡する

抜歯後の腫れや痛みは、通常数日から1週間程度で治まります。

しかし、激しい痛みが続く場合や、痛みが徐々に強くなる場合には、早めに歯科医院へご相談ください。感染や他の問題が起きている可能性があります。

喫煙を控える

喫煙は、傷口の治癒を遅らせる原因になります。

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血流を悪くするため、傷口への栄養供給が不足してしまいます。抜歯後は、少なくとも数日間は喫煙を控えるようにしましょう。

まとめ

親知らずが横向きに生える原因は、顎の骨に十分なスペースがないことにあります。

現代人の食生活の変化により、顎が発達しにくくなったことが大きな要因です。横向きに生えた親知らずを放置すると、虫歯、智歯周囲炎、歯並びの乱れ、圧迫感や痛み、感染症や膿瘍、嚢胞など、さまざまなリスクが伴います。

横向きに生えた親知らずは、抜歯を検討したほうがよいでしょう。抜歯の流れは、診察・検査、麻酔、歯茎の切開、歯の分割、抜歯、縫合、止血、薬剤の服用という順序で行われます。

抜歯後は、血行を促進させる行為を避け、頻繁かつ激しいうがいをしない、傷口を触らない、麻酔が切れるまで食事をしない、腫れが長引く場合は歯科医院に連絡する、喫煙を控えるなどの注意点を守ることが大切です。

親知らずが横向きに生えていると指摘された方は、早めに歯科医院で相談し、適切な治療を受けることをおすすめします。

アーバン歯科・矯正歯科 大宮ラクーン院では、親知らずの抜歯に不安を感じている方にも安心して治療を受けていただけるよう、痛みに最大限配慮した治療体制を整えています。

口腔外科学会会員が多数在籍しており、横向きや埋伏といった難症例にも対応可能です。初診当日の抜歯や2本同時抜歯にも対応しているため、通院回数を減らしたい方にもおすすめです。

大宮駅から徒歩1分という好立地で、予約なしでの来院にも対応しています。親知らずでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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